FinePix S5Pro

先月購入のFinePix S5Proについてあれこれと。
まずは、標準色(フィルムシミュレーションなし)での写りを見てみました。

予想通り、プロビアに良く似た味付けです。曇り空でしたが、お鼻のピンク色がきれいに出ていて好印象です。D200と比べると若干派手目でしょうか。強い癖は感じませんが、微妙な色へのこだわりにフィルムメーカーらしさを感じます。
これが、フィルムシミュレーションモードF2に設定するとこうなります。

なんと見事なベルビア色、というよりこれはフォルティア色でしょうか。花びらやつぼみはもちろん、枝にも強力に色が乗っていて、まるで赤銅か何かでできているようです。カメラの設定だけでここまで色味を変えられるのは楽しいです。
次に、SRハニカムCCDの売りであるラティテュードは。

ダイナミックレンジ400%で撮影。こういう場合、たいていは窓の外が真っ白に飛んでしまうのですが、このカットではちゃんと写っており、評判にたがわぬ広さを感じます。その反面、右手前の人物の服は黒つぶれが発生しており、こちらは普通の機種となんら違いはないようです。この辺りもカタログなどでの説明通りです。これなら、私の好きなローキー表現も今まで通りの感覚でできます。

最後に、高感度時のノイズはどうでしょうか。被写体は佐嘉神社の流し雛です。

このカットはISO1600ですが、思いのほか特に高感度に強いという印象はありません。決して弱くはありませんが、まあ普通といったところでしょうか。ISO3200まで設定可能ということでかなり期待していたのですが、これは買いかぶりすぎだったかもしれません。

と、ざっとこんな感じで勝手な印象を書いてみました。フィルムシミュレーションは、F2以外のモードも馴染み深い銀塩フィルムの色をよく再現してくれていて、仕上がりに違和感がないのが印象的です。しかも、その色のままISO感度を自由に変更できるのですから、これはハマりそう、というかすでにハマっています。他メーカーの中級機と比べても数万円高いですが、個人的にはその値打ちは十分にあると思えました。




勝手な妄想ですが、FマウントのスーパーEBCフジノンがあったらいいなぁ…。私、フジノンの写りはかなり好きだったんです。現実にはとても商売にはならないでしょうけど。